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兵庫県神戸市長田区
金づち通り魔 母娘重傷

2009年9月16日

 15日午後4時50分頃、神戸市長田区宮川町の路上で、男が大声で叫びながら、前を歩いていた同市兵庫区、無職伊藤幸枝さん(68)と次女のパート店員歌余子(かよこ)さん(35)の頭を金づちのようなもので相次いで殴った。幸枝さんは頭の骨を折り重傷、歌余子さんも頭から出血し、右腕骨折の重傷。いずれも命に別条はないという。男は東へ徒歩で逃走した。2人は男と面識はないと話しており、兵庫県警長田署は、殺人未遂容疑で男の行方を追っている。

 発表によると、男は20〜30歳代で、身長1メートル60ぐらいのやせ形。グレーの半袖パーカに黒の半ズボン姿。現場から数メートルの路上で折れた金づちの柄、付近の川から血が付着した金づちの金属部分が見つかり、同署は凶器とみて鑑定する。

 幸枝さんと歌余子さんは近くの銭湯に行く途中だったという。近くで犬の散歩をしていた介護士の男性(52)によると、現場の南約100mから、女性2人のすぐ後ろを、犯人とみられる男が歩いていたという。3人が角を曲がり、見えなくなった瞬間、突然、ウワーとわめく男の大声が聞こえた。あわてて駆け寄ると、2人が側溝に身をかがめ、頭から血を流して、「何でこんな目に遭わんといかんの」と泣き叫んでいたという。

 男性は「静かな住宅地なのに、こんなことが起きるなんて恐ろしい」と話した。

 幸枝さんの夫(72)は神戸市内の病院で2人と面会。2人は包帯姿で、幸枝さんは「痛い、痛い」と何度も口にしていたという。夫は「娘から『お母さんと一緒にやられた』と電話があり、びっくりした。何も悪いことをしていないのに、悔しい。犯人を許せない」と憤った。

 近くにある市立長田小学校は付近住民らに対し、16日朝の登校時に通学路で児童を見守るよう依頼した。

 現場はJR新長田駅の北約1.7kmの住宅地。